病気のはなし

統合失調症

統合失調症とは

  • 人から監視されている気がする
  • 落ち着かない
  • 眠れない
  • 何もする気がしない
  • だれもいないのに声が聞こえる

感覚、思考、行動の障害が認められる病気で、まだ原因は明らかになっていません。具体的には、いない人の声が聞こえる(独り言をいう)、音に敏感になる、悪口を言われている、監視されていると被害的に思い込む、奇妙な考えにとらわれて考えがまとまらない(話が途中で止まる、かみ合わない)、気分が落ち込む、食事をしなくなる、しゃべらなくなる、家から出ないようになる、眠れない、興奮して意味不明なことをする、などの症状がみられ、初期には病気の自覚がないのが特徴です。
自覚がないため、自分から受診をすることは珍しく、初回は周囲の方につきそわれて受診する場合が多くみられます。どうしてもご本人が受診を嫌がる場合は、ご本人が辛そうな症状(例えば眠れない、気分が落ち込むなど)について相談にいこうと促すと受診がスムーズになる場合があります。新しい薬の開発や社会的なサポートの整備などにより、初期の段階で治療を開始することによって、約半数の方は長期的な回復を期待できるようになりました。

診断

いろいろなタイプがあるため、上記のすべての症状がなくても一部の症状が継続してみられる場合に診断します。うつ病や身体疾患の症状として統合失調症のような状態になる場合もあるため、鑑別を要します。

治療

興奮するなど激しい症状のある場合、意欲が低下して日常生活が行えない場合は入院治療が必要です。日常生活のサポートのため、ご家族の協力が必要な病気です。ご家族が家庭での生活を難しいと感じるなら、入院治療について担当医に相談することもできます。
初期の治療は薬物療法が中心で、抗精神病薬を使います。不眠や不安、気分の状態に応じて、睡眠薬、抗不安薬、気分安定薬を使います。薬で状態がよくなったと実感できるようになると、その後の治療継続がスムーズになります。
新しい薬は副作用が少なくなっています。状態が落ち着いても継続して薬物療法を受けることが重要です。自己判断で薬物療法をやめてしまうと、高い確率で再燃することが分かっています。それを繰り返すと慢性化して回復しにくくなります。薬の量の調整も含めて、担当医に相談しながら薬物療法を継続する必要があります。
外来通院しながら日常生活の援助を受けるため、訪問看護を利用することも可能ですので、担当医師に相談することをお勧めします。

統合失調症とデイケアセンター

初期の症状が落ち着くと、睡眠リズムの乱れや意欲低下などの症状が目立つようになります。
具体的には、夜に眠れず昼間に寝ている、家でゴロゴロして過ごしている、仕事をしたいが何をしたらよいか分からない、退院したがこれから何をすればいいのか分からない、復職するにはまだ自信がないなどの状態です。このような状態のときに、ご本人に始めたいという気持ちがあれば、担当医師に相談しデイケアセンターを利用することができます。自分のペースでプログラムに参加し、焦らずに過ごしていきましょう。
困ったことがあればスタッフに尋ねてみましょう。医師には相談しにくいことも話せるかもしれません。自分では分からない病気の調子について、スタッフが気付き、早めに治療につなげられることもあるかもしれません。また、ほかの利用者との交流もよい刺激になるかもしれません。集団のルールはありますが、その中で過ごすことも回復に役立ちます。
復職を目指している方、これから仕事をしたいと考えている方には、就労に向けたプログラムや情報提供を行い、サポートもしています。

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