病気のはなし

不安障害

不安障害とは

  • 不安感に襲われる
  • 手指がふるえる
  • 汗がよく出る
  • 動悸がする
  • 眠れない

特定または漠然とした状況における恐怖や強い不安を感じる病気です。この中には、広場恐怖症、社交不安障害、全般性不安障害、パニック障害などがあります。不安の増悪によって、うつ病が合併することも多くみられます。

広場恐怖症

安全、安心な場所にすぐ逃げ出すことが困難な空間で恐怖を感じ、その空間を避けるようになります。

社交不安障害

人前で話す、食事をするなど注目される場面での恐怖を感じ、そういった場面を避けるようになります。

全般性不安障害

漠然としたさまざまなことを継続して不安に感じ、不安感から動悸、めまい、不眠などの身体症状が現れます。

パニック障害

不安を伴い動悸、息苦しさ、過呼吸、手足のしびれなどが起こる発作(パニック発作)が、たびたび見られる病気です。このまま死んでしまうのではないかという恐怖を感じ、救急車で病院に行くと、そのころには状態は落ち着き、心電図などの検査で異常が見られないといった経験をして受診されるケースが多くあります。
発作が繰り返されるうち、また起こるのではないかという不安が高まり、日常生活に影響を及ぼす場合もあります。

診断

不安な状態はうつ病、統合失調症をはじめ、どんな精神疾患でも生じます。また、身体疾患でも生じるため、不安障害とそれらを鑑別する必要があります。身体症状については内科などの身体科への受診をお勧めします。

治療

不安や身体症状にとらわれると、思考機能も低下し、就業や家事そのものが困難になったり負荷に持ちこたえられなくなったりします。その場合、負荷軽減や休養が必要になります。
うつ病との合併によって、状態のコントロールが困難な場合は入院治療をご提案することもあります。
外来での治療はお話と薬物療法です。薬は主に抗うつ薬です。焦りや不安が高いときは抗不安薬、気分安定薬、抗精神病薬を使います。薬物療法で不安が落ち着いてきたところで、少しずつ不安や恐怖を感じる状況に慣れるように支え、助言していきます。
状態が落ち着いてきても継続して治療が必要となる場合が多いです。

不安障害とデイケアセンター

休養や薬物療法で状態が落ち着いてきた段階で、担当医と話し合い、デイケアセンターに通所することができます。
個別で行うプログラムで気分転換方法を見つけたり、集団で行うプログラムで安心できる人間関係を体験したりすることによって回復をサポートします。
復職を目指す方に対しては、認知行動療法などを通して不安に対する自己コントロールをご自身で考えていけるようにサポートします。

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